これも栗山流のファンサービスだ。日本ハム栗山英樹監督(51)が、クライマックスシリーズが始まる直前となる来月上旬にも、自著「覚悟」を発売する予定であることが24日、分かった。新人監督として今季を戦ってきた中で得た、喜びや悔しさ、教訓などを、自分の言葉でファンに伝える内容になっているという。

 プロ野球の現役監督がシーズン中に本を出すことは極めて異例だが、そこに栗山監督らしさがある。これまでにもシーズン終了後に自叙伝などが出版されるケースは数多くあった。だが関係者によれば「それだと読んだ段階ですべてが終わってしまっている。でもこの時期であれば、ファンの方が読んだ後に、CS、日本シリーズがある。一緒になって戦い、応援できる」と話す。監督がどういう思考で戦い、どこを目指しているのかを明確にした上で、最高の舞台を共に戦いたいという思いが込められている。

 今日25日からは本拠地札幌ドームでの5連戦(対ロッテ、対西武)。ロッテには対戦成績13勝5敗2分けと好相性だが、指揮官は「それは関係ない」と気を引き締める。だが、絶対的なプラス材料がある。それがホームアドバンテージ。「(前日23日までの遠征中は)早く北海道に帰りたいと思っていた。それだけファンが作り出す雰囲気、力が大きいものだと実感している」。ときには試合を左右するほどの“戦力”となる大声援。ファンとともに戦う強さを知っているからこそ、そのファンへ向けて、“本音”を出版することに踏み切った。