阪神は２８日に都内で福留孝介外野手（３５＝ヤンキースＦＡ）と極秘交渉を行った。２年４億円プラス出来高の条件と背番号「８」を提示。将来のコーチ就任なども確約した模様だ。交渉した中村勝広ＧＭ（６３）は報道陣の追跡を振り払い、厳戒態勢の非公開交渉でラブコールを送った。今日２９日にライバルのＤｅＮＡが交渉する予定。福留争奪戦は予断を許さない状況だ。
福留争奪戦は、緊迫の展開に突入した。この日午前、交渉役の中村ＧＭが新幹線で東京入り。後を追う報道陣を振り切って、都内に消えた。その後、本人同席の上で福留サイドと交渉に入った。そこで２年４億円プラス出来高の条件を提示。背番号「８」に将来の指導者手形、住環境の整備など複数の付帯条項もつけ、最大限の誠意をアピールした。中村ＧＭは帰阪することなく、そのまま都内に残留。報道陣の前に姿を現すことはなかった。
阪神サイドは外野手強化を今オフの重要課題に挙げており、福留サイドに水面下で条件を提示していた。その後、和田監督も獲得を熱望。ＤｅＮＡとの争奪戦はヒートアップし、条件を見直して、今回の再提示に至った。
この日まで中村ＧＭは「一切明かさない」と、交渉の場所や日時に関する質問に沈黙を貫いた。交渉過程が漏れることに神経をとがらせる。福留サイドに配慮したもので、この日は完全非公開の極秘交渉となった。普段は真摯（しんし）に報道陣に対応するスタイルを見せてきたが、交渉後も、ひと言も発することはなかった。同ＧＭは今日２９日に帰阪し、西宮市の球団事務所で南球団社長に報告。今後の対策を練る流れだ。
これにより、争奪戦は予断を許さない状況になった。阪神に続いて、２９日にはＤｅＮＡが同様に非公開交渉を行う予定。条件面では伯仲しており、福留がどう決断するかはいまだ不透明だ。球団首脳は「感触については何とも言えない」と話すにとどめた。福留はメジャー志向を残しており、１２月３日から始まる米球界のウインターミーティングの動向も待っている模様だ。決断の時期は早くとも１２月上旬か。阪神は長期戦も辞さない不退転の決意で交渉に臨んでいる。チーム編成に大きな影響を与えるだけに、緊迫した状況が続く。（金額は推定）
