2年目の広島菊池涼介内野手(22)が日南キャンプの“MVP”に輝いた。沖縄遠征組が1次キャンプを打ち上げた21日、野村謙二郎監督(46)が「強烈なアピールをした」と最高評価を与えた。存在感を見せたドラフト4位の下水流昂外野手(24=ホンダ)、鈴木将光外野手(25)の名も挙げ「満点キャンプ」を総括。南国の地に場所を移し、成長したチームの力を腕試しする。

 頬は緩んでいた。沖縄遠征組が日南キャンプを打ち上げ、総括した野村監督が最初に口にしたのは、攻守で成長を見せる2年目若鯉の名だった。

 野村監督

 菊池が見ての通り、強烈なアピールをしている。実戦でヒットを打っているし、スピードもある。もっと、自信を持ってやっていけばいい。

 最後まで、輝き続けた。沖縄出発前最後の紅白戦。1回の守備でいきなり先頭梵が放った三遊間への深い打球に追いつくと、大遠投で間一髪アウト。流れを引き寄せると、バットでも光った。6回2死から福井の内角直球を、窮屈な体勢にもかかわらず、払いながら左翼線に落とした。

 菊池

 期待を感じながらやっていたけど、自分の中でも考えながら1つ1つ動いていた。(守備位置に)こだわりはないけど、出ないと結果が出ないので。

 17日のWBC日本代表との強化試合(サンマリン宮崎)でも2安打と活躍した。長年遊撃手で不動のレギュラーだった梵を脅かすまでに成長。ベテラン勢を刺激する存在の台頭は、チーム力の向上にもつながっている。

 さらに野村監督は、日本代表内海からの本塁打で一躍「時の人」となった鈴木将、シュアな打撃を見せるルーキー下水流の名を挙げてたたえた。「チームが若返ろうというとき」。変貌を遂げる予兆を感じている。沖縄での5試合で、その手応えを確実なものにする。【鎌田真一郎】

 ◆菊池涼介(きくち・りょうすけ)1990年(平2)3月11日、東京都生まれ。武蔵工大二から中京学院大に進み、大学では2年春に3冠王を獲得。11年ドラフト2位で広島入団。新人だった昨季は63試合に出場し、2割2分9厘、2本塁打、12打点、4盗塁。171センチ、69キロ。右投げ右打ち。