<中日15-3阪神>◇23日◇ナゴヤドーム

 阪神が非常事態に陥った。4連勝で乗り込んだ鬼門ナゴヤドームの今季初戦。エース能見篤史投手(33)にアクシデントが発生した。前回巨人戦で割れた左手の爪の影響が出て4回4失点で降板。8年ぶり15失点の大敗を喫した。和田監督は試合後、ケガの状態を考慮し、29日広島戦(甲子園)の登板回避を示唆。9連戦でエース不在の苦境に立たされそうだ。

 やはり鬼門だ。阪神が、惨敗スコア以上に痛い黒星を喫した。先発した能見にアクシデントが発生。16日巨人戦で割れた左手の爪が完全回復に至っていなかった。和田監督は「だいぶ爪を気にしていたね。状態によっては1回(先発を)飛ばさないと」と顔をしかめた。中5日で先発が濃厚だった29日広島戦は回避へ。5月6日巨人戦へ向けて、完全回復を待つことになる。

 序盤から爪を気にするそぶりを見せていた。明らかに本来の直球はなく、いきなり2失点。2回には8番藤井に被弾するなど、今季最短の4回で降板した。1回には一塁ベースカバーの送球でタイミングをずらした。直後にベンチからトレーナーと駆け付けた中西投手コーチは「ずっと気にしていたことがあったので」と、体をよじったこと以外の緊急事態をにおわせた。

 能見

 初回がね。先制を与えたくなかった。(ベースカバーは)大丈夫です。

 9連戦初戦で期待に応えられなかった左腕は、静かにバスへ乗り込んだ。エースのもたつきに引きずられるように、2番手久保田は8失点。24イニング無失点で乗り込んだ尾張の地で、05年5月20日以来となる15失点となった。2点前後をキープしていたチーム防御率は、12球団1位から陥落。能見の代役には、この日のウエスタン・リーグ広島戦で先発した秋山や、開幕ローテから外れて2軍調整中の岩田の名前が挙がる。

 「貧打」と評された打線は11安打を放った。捕手の藤井彰がダイビングキャッチを見せれば、和田監督は4回の守りでダッシュしながら二塁塁審へ抗議。昨季は開幕から8連敗したナゴヤドームで、何とかしようと必死だった。

 和田監督

 今までこういう展開がなかったから、ここに来るとと言うのはね。1敗は1敗。気持ちを切り替えて、明日やっていくしかないね。

 鬼門の扉はメチャクチャ固かった。連勝は「4」でストップ。何よりの失敗は、寝ていた竜打線を起こしてしまったことだろう。たかが1敗、されど1敗。エースが離脱する今こそ、熱くなれ!

 で戦う時だ。【近間康隆】