藤浪に試練の4番勝負が突き付けられた。21日に長野で予定されていたDeNA戦は雨天中止。阪神藤浪晋太郎投手(19)が登板予定の23日に三浦がスライドすることが決定した。サンデー登板が続く藤浪は30日に広島のエース前田健とも激突。阪神の週末カードは球宴前までDeNAと広島しかなく、19歳ルーキーは番長、マエケン、マエケン、番長と投げ合うことになる。未来のエースが、いばらの道を突き進む。

 不動のサンデー晋ちゃんに試練が待ちかまえる。雨天中止によるローテ再編となっても、ルーキーの日程は最優先。首脳陣には「極力日曜日から変えたくない」という意向があり、日曜日登板は継続される。だが、天のいたずらか、19歳にとっては、いばらの日曜日になりそうだ。

 この日先発予定だったDeNA三浦が、23日にまわることが決定。これにより、藤浪は球宴前の4試合で番長、広島前田健の2人と2度ずつ激突する可能性が出てきた。5月26日日本ハム戦で4勝目を挙げて以来、ここ3戦白星の付いていない藤浪に大きな壁が立ちはだかる。プロ22年目の39歳と侍ジャパンのエース格だった沢村賞右腕。5勝目への挑戦はさらに厳しい戦いとなる。

 前回登板した交流戦最終登板の16日楽天戦では、田中との投げ合いで5回持たず降板。2敗目を喫し「ランナーを出してからが全然違う。そういうあたりが、球界を代表するピッチャーだと思いました」と感服していた。前日20日に「初めてです」という長野入りし、この日は長野オリンピックスタジアムで調整した藤浪は、今後について独特の言い回しで話した。

 「パワプロとは違うので、(急には)成長しないです。成長できるかは別ですけど、学ぶことは多いと思います」

 自分の力で1歩ずつ成長の階段を上がるしかないと分かっている。まずは最多の2勝を挙げているDeNA戦だが、中畑監督は左打者を並べて対応する構え。藤浪はブルペンでも左打者を立たせて投球するなど、苦手克服に向け対策を重ねている。試練を乗り越えたとき、藤浪がまた一回り成長する。【山本大地】