<阪神1-2広島>◇1日◇甲子園

 広島今井啓介投手(26)が、今季先発での初勝利を挙げた。今季2度目の先発で、阪神打線を6回1失点に抑えた。昨年の同日に同じ甲子園でプロ初完投初完封勝利を挙げており、ゲンのいい球場で、クライマックス・シリーズ(CS)進出へ第5の先発投手に名乗りを上げた。チームへ、先日生まれたばかりの第2子へ、最高のプレゼントを贈った。

 今井が“二刀流”で結果を出した。7月12日のヤクルト戦(神宮)以来、今季2度目の先発マウンド。そのときは8失点の大乱調だったが、苦い記憶をかき消すように、立ち上がりから腕を振った。3回に連打で1点を失い同点とされたが、その後のピンチをしのぐ。菊池らの好守にも助けられ、6回を5安打1失点に抑えた。6回の丸の14号ソロで勝ち越すと、横山、永川勝、ミコライオの継投で逃げ切った。今井は「石原さんのリードにも、みんなの守備にも本当に助けてもらいました」と感謝した。

 今季2勝目は、先発では初白星。今井にとって甲子園は09年のプロ初勝利、昨年のプロ初完投初完封とゲンのいい舞台だった。初完封してから1年後、同じ9月1日にチームに貴重な白星を運び、甲子園との相性の良さをまた証明した。

 今季はキャンプ中に左膝を痛めて出遅れ、1軍昇格は4月末。昨季は12試合に先発したが、中継ぎをこなしながら先発を待つ日が続いた。中継ぎしながら先発というのは「調整が難しい」という。「でも、そういう役割をする人は少ない。だからやるしかない」と先発と中継ぎの“二刀流”にも意欲的。CSを狙うチームにとっても、前田健ら4本柱に次ぐ先発候補として期待がふくらむ。今井も「大事な試合が続くので貢献したい」と目を輝かせた。

 プライベートでも、8月26日に元タカラジェンヌの優子夫人(35)が第2子となる長女を出産したばかり。「いいおみやげができました」と今井。この日のウイニングボールを愛娘に届けるつもりだ。【高垣誠】