中日森野将彦内野手(35)がFA権を行使せず来季もチームに残留することが4日、分かった。生え抜きの主砲は、在籍18年目を迎える14年も慣れ親しんだユニホームで谷繁兼任監督率いる新生中日の柱となる。

 残りの野球人生を見すえ熟考してきた森野はナゴヤ球場で去就について真っすぐ前を向き、こう言った。

 「来年もここで、強いドラゴンズになるように自分の力を出し切るだけです」

 言葉はこれだけだったが、決意のほどは十分に伝わってきた。

 今季で5年契約が切れ、海外FA権を持つ森野に対し、球団側は10月15日に就任間もない落合GMが直接出馬し電撃的に残留交渉を行っていた。これが同GMの表面上の初仕事で報道陣に対しては「話をしただけだ。必要戦力だから」。こうサラリと言っただけだったが“速攻”で誠意を示されていた。

 関係者によれば背番号も30から7に変更される。7は山崎武司氏の引退で空き番になった。森野にとっては96年ドラフトで2位指名を受けた直後に与えられ約2年半つけた特別な番号。提示を了承するのは確実。初心に帰って完全復活を果たすため、これ以上ない背番号でもある。今後予定される契約交渉をへて、新たなスタートを切る。