中日のキャラメル王子こと、ドラフト5位の祖父江大輔投手(26=トヨタ自動車)が11日、谷繁新体制初陣の“開幕投手”を志願した。新人合同自主トレがナゴヤ球場でスタート。チーム初実戦となる2月15日の韓国KIA戦(北谷)について「投げたいです。自分の投球をしてアピールしたい。理想は3者凡退」と早くも0封発進を描いた。

 貪欲にアピールしたい理由がある。今回の新人で26歳はセ・リーグ最年長。ドラ1鈴木翔とは8歳も違う。「僕には時間がない。すぐにでも1軍に上がって投げたいので」。1年目とはいえ、残りのプロ寿命を考えればムダな時間を過ごしたくない。そこで目を付けたのは注目度の高い新監督の初采配。目立てばグンと株価は上昇する。一気にチーム内競争を抜け出し、開幕1軍を奪う意気込みだ。

 心意気は即行動で示した。「一番年上なので、みんなを引っ張っていくつもりで走りました」。500メートルの球場内を10周したこの日の5キロ走では、20分10秒で貫禄のV。ドラ1鈴木らを周回遅れにするなど、8選手中ぶっちぎりのスタミナを見せつけた。キャッチボールでも低く力強い球筋と安定した制球力を披露。見守ったスカウト陣も「もう試合でいけそうだ」と絶賛する好仕上がりをアピールした。

 親戚と家族は名古屋市内で「日邦製菓」を経営している。敵地甲子園でも販売するキャラメルは、プロ入り後話題になって評判は上々のようだ。「いろんな方からキャラメル食べたよと言われます」。キャラメル王子の武器は甘いマスクと年の功!?

 開幕1軍から99年川上憲伸以来の竜新人王へ突っ走る。【松井清員】

 ◆祖父江大輔(そぶえ・だいすけ)1987年(昭62)8月11日、名古屋市生まれ。明正小では軟式の中川青葉、富田中では愛知西シニアに所属。愛知までは遊撃手で、愛知大から投手に本格転向しトヨタ自動車へ。最速152キロの直球と大きく縦に曲がるスライダーが武器。昨年10月の中日との2軍交流戦では6回無失点。175センチ、78キロ。右投げ左打ち。