<阪神0-10中日>◇1日◇京セラドーム大阪

 投手王国の看板はどこへ?

 阪神がワーストの投壊スタートに意気消沈した。今季初登板の2年目藤浪晋太郎投手(19)が打線の援護なく6回に先制を許し、8回に力尽きた。2番手金田和之投手(23)は火に油を注ぎ、東京ドームでのサンドバッグ状態が京セラドーム大阪でも続いた。開幕4戦で37失点はセ・リーグのワースト記録。同じく4戦目までに3度の2桁失点は史上初の屈辱で、気がつけば単独最下位に落ちた。

 寂しすぎる「お披露目」だった。阪神が、ホーム開幕戦で恥ずかしい大量失点だ。2点ビハインドの8回、相手監督谷繁の中前打で5、6点目が入った。京セラドーム大阪に響く虎党の怒り…。この日を楽しみにしていた関西のファンは、続々と席を立っていった。一塁塁上の敵将とは対照的に、一塁側ベンチの虎将は唇をかむしかなかった。

 「そこだな。2番手が、ビハインドでも点差がない時に何とか抑えてくれないと。抑えてくれればゲームになるんだけど、崩れてしまってるんでね。ポイントになっている」

 自慢の投手陣が、まさかの急変だ。圧倒された巨人3連戦に続き、開幕からは21年ぶりの4試合連続2桁被安打。開幕4戦計37失点はリーグワースト記録だ。先発を受ける救援陣が、また炎上した。2番手金田が火に油を注ぐと、昇格即登板の岩本も失点。巨人戦で痛打された鶴と二神は降格し、山口投手コーチは「1回で(2軍へ)変えたら投手がいなくなる。経験にして頑張ってくれないと」と奮起を期待した。

 これまで「投高打低」で支えてきた。昨季のチーム防御率3・07は12球団トップ。ブルペンは福原や安藤、加藤が踏ん張ってきた。健在のベテラン3投手は呉昇桓へつなぐ「方程式」となるだけに、劣勢では投入しにくい。昨季から久保とボイヤーが抜け、3年目松田は右肘痛で離脱中。若手が新星となれずに駒が少ない状況では、130球を投げた藤浪のように先発を引っ張るしかない。

 中西投手コーチは「ビハインドでいく2番手だな。明日以降整備しないと。今のところ全滅状態だから。ゲームをつくっていくか、壊すか、大事なところ」と話した。まだ4試合とはいえ、チーム防御率9・79は断然の最下位。昨季を思えば信じられない数字だ。

 開幕ダッシュが厳しくなった。今日2日は、投壊ストップをルーキー岩崎に託す。和田監督は「今日はこんなゲームになってしまったけど、ちょっと我慢しながら上向くようにやっていきます」。残り140試合。ペナントは長いが、いきなり想定外の超難題が降りかかった。【近間康隆】

 ▼阪神が0-10で敗れ、単独最下位となった。開幕からの失点は12点→3点→12点→10点となり、開幕4試合で2ケタ失点を3度記録したのはプロ野球史上初。阪神は4試合で計37失点。開幕4試合の合計失点が多かった球団を出すと、<1>37年春大東京43点(14→17→5→7)<2>05年楽天39点(1→26→6→6)<3>55年トンボ38点(12→8→14→4)<4>14年阪神37点で、開幕4試合の合計失点はセ・リーグワースト。37年春の大東京は8球団中6位、05年楽天は6位、55年トンボは8球団中8位。阪神は巻き返して上位進出できるか。