守護神への切り札は「大野チェンジアップ」だ!

 阪神松田遼馬投手(20)が2年前に中継ぎ転向して以来、封印してきたチェンジアップの習得に乗り出した。呉昇桓に来オフのメジャー挑戦が持ち上がった今、未来を担うのはこの男しかいない。さらなる進化へ秋季キャンプのブルペンでチェンジアップを投じると、驚きの声を上げたのは、大野臨時コーチだった。

 大野コーチ

 僕の現役時代と同じ握りでビックリしたよ。守護神になるためには真っすぐの次のボールを1つ、しっかりしたものにしないといけない。

 人さし指と中指でボールを軽く挟み、通常はボールの底に位置する親指の位置を人さし指の近くまで上げる。波佐見高時代から投げてきた松田のチェンジアップは、偶然にも同コーチの握りそのものだった。それだけに、リリースに関してのアドバイスが自然と耳に入った。松田も「何か変化球を増やさないとと思う」と課題を口にする。武器の直球は、1軍クラスの打者に読み切られると、はじき返される場面があった。直球を生かすためにも、緩急をつける球種の確立は必要不可欠なのだ。

 松田

 チェンジアップも高校から覚えていて、ある程度感覚は残っている。真っすぐを失わないことを頭に入れながら、変化球も練習していかないと。

 11日は阪神・巨人連合の一員としてMLBオールスター相手に登板。メジャーのすごみを感じるとともに、能見らの投球に、落ちる変化球の大切さを再認識した。「大野チェンジ」のマスターは、守護神への道を後押ししてくれるに違いない。【松本航】