もう実戦OK!!

 右肘手術から復活を目指す阪神西岡剛内野手(30)が完璧に戦闘態勢を整えた。30日、第2次自主トレを行っていた米ハワイから関西空港着の航空機で帰国。和田監督が2月15日の紅白戦での実戦出場を示唆したことを伝え聞くと「明日から試合に出られる」と言い切った。ハワイ→沖縄は昨年と同じ流れだが帰国は1日遅い。時差ぼけなどの不安も一蹴する弾丸キャンプインで上本との二塁争いに臨む。

 常夏の島から帰ってきた西岡の気は、とてつもない熱を帯びていた。米ハワイ自主トレを打ち上げて、この日の夕方に帰国。日焼けし、頬はこけていた。引き締まった表情が長かったリハビリの成果を示す。堂々と「沖縄に入って動きを見てもらったら分かります」と言う。鋭い眼光だった。

 自信満々の発言は、完璧な戦闘ボディーに仕上がった証拠だろう。この日、沖縄に入った和田監督は2月15日の紅白戦を西岡の今季初実戦に“指定”した。「これは全員。そこをメドにというところ。報告では打つ方はまったく問題ないと」と説明。指揮官の方針を伝え聞くと、西岡は間髪入れずに言う。「1日からいける。明日からでも試合に出れる」。多くの言葉はいらない。このひと言で十分だ。

 常識破りの弾丸キャンプインで、上本との二塁争いに挑む。ハワイから沖縄入りするのは昨年と同じ。特筆すべきは、今年は帰国日が1日遅い点だ。普通なら時差ぼけなどに体を慣らすため、関西で数日の休養をへてキャンプに向かうが、今回は違う。今日31日に息つく間もなく沖縄に入る。球団関係者も「ハワイでかなり追い込んだ。体つきを見れば分かるだろう。環境がかなり変わるし、時差ぼけが一番心配」と話す。だが、今の西岡には時差ぼけなど、周囲の不安を一蹴する勢いを感じさせる。

 ハワイではトレーナーのケビン山崎氏に師事し、猛練習に耐えてきた。走り込んで下半身を鍛え、管理栄養士が料理した食事で心身を整えた。出発する20日には「守れるところを守るというのはキレイ事。そんな生ぬるい世界ではない」と話していた。昨年、自ら手放した二塁の定位置は上本が奪った。ポジションを奪い返す戦いだ。上本に挑み、自分に挑む。攻めに攻めて、キャンプインする。

 昨年11月、右肘にメスを入れてからケアに明け暮れた。キャンプ初日のシートノックでの送球、そして打撃の復調ぶりに注目だ。初実戦は患部の状態を考慮して指名打者になる可能性もあるが、開幕に向けて順調に調整する。ハワイ自主トレ中、連絡を取った関係者にこう言った。「見ててください!」。一流の自負がある。野球人生を支えてきたプライドを、まずは沖縄でぶつける。【酒井俊作】<西岡の右肘手術からの経緯>

 ◆14年11月11日

 右肘の遊離軟骨除去手術を受けた。球団を通し「来季はしっかりと試合に出られるようにリハビリに取り組みたい」とコメント。

 ◆同12月23日

 甲子園室内練習場で、打撃練習とキャッチボール再開。担当の権田トレーナーに「打つ方はまったく問題ない」と好感触を明言。

 ◆15年1月7日

 兵庫・西宮市内での自主トレを公開し、手術後初めてキャッチボールを披露。今季の守備位置について「二遊間で勝負して試合に出られないなら、控えでもいいくらい」と強い意識を明かした。

 ◆同14日

 大阪府内の病院で受診。権田トレーナーは「経過は良好。可動域もほぼ改善されて、普段通りに近づいている」。

 ◆同20日

 米ハワイでの第2次自主トレに出発。現地で指導を受けるトレーナーのケビン山崎氏が推薦する管理栄養士を同行させ、1日3食の栄養サポートを受けると明かした。