横浜DeNAの清水直行投手(36)が12日、横浜市の球団事務所で契約更改交渉を行い、2億円減の年俸5000万円(プラス出来高払い)でサインした。野球協約の減額制限(40%)を大きく上回る80%の大幅ダウン。10年オフのソフトバンク松中に並ぶ史上最大の大減俸となった。誕生したばかりの新オーナーによる特別査定とはいかず、現実的な評価が下された。

 更改終了後の会見で、清水は自ら切り出した。「今年で2年契約が終わり、新たに単年契約を結びました。2億円ダウンの5000万円です」。今季はプロ12年目で最低の2勝に終わった。9月に左膝を手術し右肩も痛めるなど、故障にも泣かされた。それだけに清水は「1年間何もできなかった。(前オーナーの)TBSにも申し訳なく思っている。責任を取らないといけないと思うし、自分の中ではスッキリしている」と、納得して潔く判を押した。

 シビアな現実を知って、来季への意欲もわいてきた。「厳しい世界だと感じるが、それは入団した時から分かっていること。この世界は、成績をあげなきゃ終わりですから」。球団は「3年後にCS、5年後に優勝」という目標も、清水は「悠長なことは言っていられない。1年目から成績を重視してやっていかないと」。年内は左膝のリハビリに専念して、年明けからランニングを始め、調整のペースを上げていく予定だ。

 アテネ五輪で一緒に戦った新監督の存在も心強い。清水は「中畑監督は勢いがあるし、選手のケツをたたいて押し上げてくれる人。僕はとにかく復活できるように頑張ります。来年は軸になれるように。4月にはマウンドに立ちたい。開幕を目指します」と、意気込んだ。【広瀬雷太】