<第82回都市対抗野球:JR東日本東北4-2JR東海>◇準々決勝◇30日◇京セラドーム大阪

 JR東日本東北(仙台市)が、1919年の創部以来初めて、4強のとびらをこじあけた。JR東海(名古屋市)に逆転勝ち。「選手たちの粘り強さ…それにつきます」。藤井省二監督(49)の声も震えていた。

 終盤、劣勢を一気にはね返した。2点を追う7回、安田尚造内野手(24=仙台大)が同点打。さらに8回1死一、三塁で、今大会初先発の鈴木良二内野手(32=亜大)が決勝スクイズを決めた。三塁走者に代走を送り、相手も警戒感を高めた中での鮮やかなスクイズ成功。「顔に当たってもいい。絶対にフェアゾーンに転がす。その一心でした」。社会人11年目のベテランは決死の覚悟だった。

 守っても2番手の宮本俊輔(23=近大)が好投。先発の「完全試合右腕」森内寿春(26=青森大)を6回1死二塁から救援し、打者12人を無安打無得点に封じた。「がんばろう東北」-胸のワッペンのメッセージ通り、JR東日本東北が初の頂点に歩み続ける。【堀まどか】