<北海道6大学野球:旭川大11-3函館大>◇第5節2日目◇27日◇苫小牧緑ケ丘

 旭川大が7回コールドで秋春連覇を狙った函館大に大勝し、07年春以来10季ぶりの優勝で、5年ぶり4度目の全日本大学選手権(6月12日開幕、東京・神宮ほか)出場を決めた。1回に4点を先制し、3回にも4点を追加して大量リード。就任2年目の石田威仁監督(37)が目指す米国仕込みの「パワー・ベースボール」が開花した。

 「選手がよくやってくれた」。石田監督は、喜びを爆発させるナインをほめた。北海道教大旭川卒業後、米独立リーグやマイナーリーグでプレー。昨年2月の就任後、攻撃型でスピードある野球を目指してきた。筋力トレは週2回、オフは毎日課した。冬場はアーリーワークを導入し、早朝5時半から7秒間隔で10分間打ち続けるマシン打撃5セットを敢行。ティー打撃を加えると、1日1000本振り込んだ。1月からは動体視力を磨き、視野を広くするコーディネーショントレも取り入れた。

 成果は表れた。「パワー負け、スピード負けはなくなった」。チーム打率は昨秋の2割4分から3割1分7厘とアップ。1回に先制打を放つなど打率5割3分1厘と打ちまくった穴井慎太郎中堅手(4年=旭川南)は「迷わずストレートを打ちにいけた」と振り返った。

 全日本では、2日目1回戦(6月13日=東京ドーム)で東日本国際大(南東北連盟)と対戦し“4度目の正直”で初勝利を目指す。「相手は強豪だと思うけど、全力でぶつかっていきたい」。主将の野島裕太捕手(4年=横浜商大高)はチームの思いを代弁した。