<東都大学野球:亜大1-0中大>◇第3週第1日◇24日◇神宮

 今秋ドラフト候補の亜大・九里亜蓮投手(4年=岡山理大付)がトルネードを封印し、12奪三振完封勝利を収めた。最速142キロの直球とスライダーを武器に126球。7安打されながらも要所を抑え、1-0で中大・島袋洋奨投手(3年=興南)に投げ勝った。

 「トルネード島袋」を相手に亜大・九里はトルネードを封印した。開幕戦の豪快なフォームから一転。ゆったりと左足を上げ、流れるような体重移動で重い直球を放り込んだ。「トルネードを試して下半身が使えるようになった。真っすぐで空振りが取れるので球の質は良くなった」と話す。

 原点回帰だった。体重移動を意識するために開幕2週間前にトルネード投法に変更した。球威を取り戻し、7日の青学大戦では見事2失点完投勝利。全身で投げる感覚をつかみ、再び春先のフォームに戻した。球威を保ったまま制球力を上げるため「挑戦して、良くならないと」と決断した。

 7回1死満塁の場面では外角へズバッと決まる直球でカウントを稼ぐと、スライダーで三振、二ゴロに打ち取った。低めへの制球力が抜群だった。それでも「まだ改善の余地はある」とさらなる進化を誓った。