ソフトバンクの育成選手入団会見が2日、福岡市内で行われた。育成3位の山下亜文投手(18)は石川・小松大谷のエース。全国的に知られた今夏の「悲劇」をプロで振り払うことを誓った。

 7月27日、石川県立球場だった。石川大会決勝で星稜に8-0とリードしながら9回裏に9失点の大逆転負けで甲子園を逃した。8回まで無失点の山下は両足がつり3失点で降板。救援投手も打たれ続けた。約1カ月は現実を受け入れられなかったが、今では前向きに振り返れる。「負けたことで精神的に強くなった。あの悔しさがあるから、これからつらいことがあってももう1度頑張れる」。決勝で使った試合球は今もバッグに入れている。

 決勝を投げ合った星稜エース岩下大輝はドラフト3位でロッテに指名された。「お互い頑張ろうな」と誓い合った。悪夢を見た右腕は岩下とのプロでの再戦を夢見て、まずは支配下選手登録を目指す。