龍馬の魂を持ってプロ入りする。ロッテのドラフト2位、京大・田中英祐投手(22)が11日、千葉市内のホールで行われた新入団選手発表会に出席し、ファンに向けて今の心境を坂本龍馬が詠んだ句で伝えた。

 田中が引き合いに出したのは「世の人は、我を何とも言わば言え、わがなすことは我のみぞ知る」という坂本龍馬が16歳の時に詠んだとされる句。京大初のプロ野球選手として、未知の世界に飛び込む自分の心境を重ね合わせた。

 坂本龍馬のように旺盛な好奇心を持ってチームに入る。「古谷さんは理論派だと聞いてますし、涌井さんは最多勝を取っている。いろんなことを聞いて、いいところは全部吸収したい」と質問攻めにすることを予告した。

 質問攻めは田中の十八番だ。この日も、新入団発表の前に開かれた伊東監督との昼食会で、質問の口火を切った。「(監督の本に書いてあった)ブルペンに入って、1球受けただけで交代させられたというのは本当ですか?」と聞いた。初対面の緊張感でお見合いのようだった場が、和んでいった。「話が広がった。真相が聞けて良かった」と喜んだ。

 背番号31の先輩、渡辺俊介投手も好奇心の対象だ。白陵高校1年の時、渡辺の著書「アンダースロー論」を購入して読んだ。「体は細いのに工夫して成功した方。ちゃんと自分を理解して、研究しないといけないと感じました」。時代の風雲児になるべく、スタートを切る。【竹内智信】

 ◆「世の人は、我を何とも言わば言え、わがなすことは我のみぞ知る」の意味

 世間が自分の事を言いたいのであれば、何とでも言えばいい。自分のやりたいことは自分だけが知っているのだ。