ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の山本浩二監督(66)が13日、侍たちへ贈るメッセージを明かした。いよいよ始まる宮崎合宿(15~21日)に備え、今日14日に代表候補33人が宮崎に集結する。5人が振り落とされるサバイバル合宿となるが、集合直後のミーティングで「最終的にメンバーを外れたとしても、33人全員が侍ジャパンであることを忘れないでほしい」と、伝える考え。「和」を重要視する山本監督らしい所信表明で、選手の心を1つにまとめる。

 沖縄7球団、そして宮崎4球団。代表候補選手のいるキャンプ地の視察も、ようやく最終日を迎えた。この日は古巣広島の日南キャンプで前田健と今村の状態をチェックした。15日に始まる代表合宿を前に、やり残したことはない。山本監督は「気持ちは盛り上がってきてますよ。日の丸を背負ってみんなが集まる時。選手もそうでしょうが、こちらも気持ちが入ってきています」と、高ぶる思いを隠さなかった。

 侍ジャパンの監督として、準備段階は終わった。次の大きな仕事が、最初のミーティングでの所信表明だ。今日14日、宮崎市内の宿舎に日本代表候補33人が集合する。山本監督には代表のユニホームを着る前に、どうしても選手たちに伝えたいことがあるという。

 山本監督

 最後は28人になるわけだけど、侍ジャパンは33人でスタートする。戦略的に絞らなきゃいけないし、つらい仕事になる。でも、外れる選手も侍ジャパンの一員であることに変わりはない。それを明日(ミーティングで)言おうと思う。

 メンバーから漏れたとしても侍ジャパンの一員としての誇りを持って技を磨き続けてほしい。不測の故障者が出るなど助けが必要な場合は、駆けつけてきてほしい。大リーガーのいない純国産メンバーで構成される今回の侍ジャパン。個の力よりも「和」の強さを信じる山本監督は、素直な思いを選手のハートに訴えるつもりでいる。

 選手の心に響かなければ意味はないが、そのための努力も続けてきた。7年ぶりの現場復帰となる山本監督は「選手との距離を縮めたい」と、大上段に構えることなく同じ目線に立って接してきた。今回のキャンプ地行脚でも、かしこまった話はせず、いつも冗談を言って和ませた。「選手と会話する。それが一番の目的。こちらの思いが分かってもらえたのならありがたい」。33人の侍とともに世界の頂点を目指す戦いが、いよいよ始まる。【広瀬雷太】