<WBC強化試合:日本0-1阪神>◇26日◇京セラドーム大阪

 ダークホース角中勝也外野手(25)が猛烈な追い込みでレギュラー当確ランプをともした。8番左翼で2戦連続先発。5回2死から高め直球を芯でとらえ、右翼フェンス直撃の三塁打を決めた。「感覚は良くなっています」。決して俊足ではないが、スピードを緩めることなく三塁到達。走攻で猛アピールだ。

 「(国際舞台でも)やっていることは野球。スタイルを変えるつもりはない。打順で変えることもない」。ミートに徹する打撃を崩さず、昨季パ・リーグ首位打者の力を証明している。一方で調整は変えた。休む時は休む、とメリハリをつけるタイプ。そんな男が昨年12月に代表候補に入ると、同月中からマシン打撃を開始。角中にとって異例のハイペース調整は意気込みの表れだった。大口をたたかない男が「せっかく選ばれるならレギュラーで出たい」とも口にしていた。

 宮崎合宿では稲葉、中田の陰に隠れたが、24日オーストラリア戦でも2安打3得点。山本監督は「一昨日といい今日といい、いいスイング。ミートの良さに、走塁も前へ前へという姿勢が出ていた」と絶賛した。基本は下位打線を任されるが、打順昇格の可能性についても「状況によって、そういうことも考えられる」(同監督)。プロ入り後の対外国人打率は3割3分7厘。世界基準のミートマンが侍ジャパンに居場所を見つけた。【佐井陽介】