第4回大相撲総選挙は、稀勢の里のV4達成で幕を閉じた。土俵の上では無敵の白鵬が9位で、遠藤、勢、旭天鵬らが上位に名を連ねるのも人気投票ならでは。投票総数も毎年増加し、今年は4万票を超えた。相撲人気は、数字でも明らかだ。

 人気力士が上位に来るのは想定内。だが、成績や直近の本場所の印象は票を大きく動かす。そういう意味でも、大躍進したのは伊勢ケ浜勢だろう。照ノ富士は初参戦した昨年の20位から3位に躍進した。大逆転の初優勝、大関昇進のインパクトは大きかった。2位の安美錦は照ノ富士を支えたのはもちろん、15年間ともに戦った付け人扇富士との絆を明かして号泣するなど、見る者の心を動かした。日馬富士も千秋楽で白鵬を倒して照ノ富士の優勝をアシストするなど、おとこ気で票を集めて5位。トップ5に3人が名を連ねた。

 新三役を確実にした宝富士は11位で惜しくもトップ10入りを逃し「来年こそは神セブン!」と、本家AKB総選挙になぞらえて活躍を誓った。猛者ぞろいで陰に隠れがちな28位の誉富士も「みんなでトップ10に入りたいですねえ」と1年後の姿を夢見る。目標を聞くと「大関へ!」と力強く答えてくれた。角界屈指の稽古量を誇り、それぞれ個性もある伊勢ケ浜部屋の関取衆5人。来年の今ごろには、土俵内外で「黄金時代」を築き上げているかもしれない。【桑原亮】