名古屋は20日に梅雨明けして、いよいよ夏本番。人より汗をかく力士たちにとっては、使うタオルの数も増えていく。関取衆が1日に使うタオルの数は、平均バスタオル2枚、手拭き用タオル5枚ほど。白鵬はさらに、顔、背中、足用と用途別に10枚と、座布団用、足元用など実に14枚。照ノ富士には、取組後の支度部屋で胸にあてるタオルもある。日馬富士は高級ブランド、エルメスのタオルの愛用者だ。

 柄やサイズにも個性が出る。入門3場所目の新十両御嶽海は、母校の東洋大学や08年大分国体の記念タオルを使うなど、初々しい。埼玉栄高出身の妙義龍は、関取昇進後から「SAKAE」と描かれたバスタオルを愛用。「栄魂はいつでも持ってるよ」と胸を張る。

 179センチ、180キロの琴奨菊が愛用するのは、「キティちゃん」。2年前に頼まれて買ってきた床山の床佐渡は「名古屋駅の地下で買ったんだよ。『かわいいやつ』って言うから」。琴奨菊は「関係ないよ」と言いつつ「ルーティンというのもあるし、同じ物を使い続けている。気に入ってます」とはにかんだ。5度目のかど番も「かわいい縁起物」で乗り越えられるか。【桑原亮】