新横綱の登場で沸く春場所。人気沸騰の角界には、徐々に世代交代の波も押し寄せている。その指標になる数値が出た。平成生まれの関取数が36人になり、34人の昭和生まれを初めて逆転した。昨年の春場所は平成27人、昭和43人で16人の差があったが、今年初場所でともに35人で並び、今場所は平成6年生まれの朝乃山が新十両に昇進したことで追い抜いた。

 平成生まれで初めて関取になったのは高安と舛ノ山で10年九州場所だった。それから7年弱、平成元年生まれが28歳になる年での“昭和超え”に、昭和最後の白星を残している芝田山親方(54=元横綱大乃国)は「遅かったんじゃないの」と苦笑交じりに注文をつけた。

 19歳で関取になり、25歳で新横綱場所を迎えた同親方は、28歳で引退しているだけに、若い世代のさらなる奮起を期待する。

 「特に平成5、6年生まれの力士はもっと稽古をガンガンやって、攻防のある相撲を取ってほしいね。御嶽海のような元気のいい若手が、どんどん出てきてほしい」。経験豊富な昭和生まれと、勢いに乗り台頭する平成生まれの激しいせめぎ合い。そんな相撲が増えれば、角界はさらに盛り上がる。【木村有三】