平幕の錦木が九州場所4日目に通算連続出場600回を記録した。06年春場所で初土俵を踏んでから、1度も休場することなく到達。今場所の幕内力士では、1035回の玉鷲、810回の勢に続く記録となった。

 本土俵に立ち続ける錦木は、稽古土俵にも立ち続けている。連日バス移動する巡業中は朝稽古の量を調整する力士もいるが、錦木は休むことなく真っ先に土俵に上がる。関取衆らによる申し合い稽古のため番数は限られるが、タフさは人一倍際だっている。

 なぜこんなにタフなのか。「無理をしない」。もうひとつは「ストレス発散を見つけること。お酒ですかね」とニヤリ。巡業中は1人でもふらりと、地元の居酒屋に入って地元のお酒を飲むほどの酒好きだ。場所中も晩酌を1日たりとも欠かすことはなく「稽古頑張ったら、取組が終わったら飲むぞ、という感じ」。体と心にゆとりを持つことが、錦木流のタフさの秘策だ。

 4横綱時代だが、1度も皆勤がない。一方、今場所の幕内力士43人中13人が、それぞれ初土俵から休場なしで走っている。いずれも三役以下の力士だ。元気のない上位陣を尻目に、平幕力士が土俵上を走り回る。【佐々木隆史】