BブロックでIWGPインターコンチネンタル王者後藤洋央紀(36)が、同ヘビー級王者オカダ・カズチカを破り、3勝1敗の勝ち点6で首位に並んだ。オカダの持ち味を消す試合運びで王者対決を制し、事実上のIWGPヘビー級挑戦権を獲得した。

 荒武者の異名をとる後藤らしく、試合後のマイクで「討ち取ったり!」と高らかに勝ちどきを上げた。試合前はオカダコールが多かった会場が、後藤への大歓声に変わっていた。「時代が動いた。1つ扉をこじ開けた。このチャンピオンベルトのおかげ。オカダの挑戦をいつでも受けるよ」と後藤は、誇らしげにベルトをかざした。

 王者同士らしい一進一退の攻防。その中で、後藤は冷静にオカダの動きを読んでいた。試合終盤、勝機とみてレインメーカー(短距離式ラリアット)を仕掛けるオカダに、後藤は頭突きで、あるいはラリアットで、ことごとくはね返していった。最後は、ブレーンバスターで高々と持ち上げ、振り子の要領で後頭部から落とす「昇天・改」で勝負を決めた。

 プロレスラーを夢見ていた中学生のころ、指先でシャープペンをクルクル回しながら思いついたワザが、昇天、そして昇天・改になった。そのワザでヘビー級に転向し、現在の地位を築いてきた。

 G1やインターコンチネンタル王座、ニュージャパンカップと数々の実績を残してきた後藤だが、なぜかIWGPヘビー級王座だけは手が届かなかった。しかし、今回、中邑を2度倒してインターコンチネンタル王座を守り、心身ともに充実した状態でG1に臨んでいた。そして、オカダに勝ってIWGPヘビー級王座への挑戦権をつかんだ。「次はちゃんとした形で、ベルトをかけて戦いたい。その前にG1を必ず優勝します」と後藤は、力強く宣言した。【桝田朗】