「K-1 WORLD GP 2015 〜サバイバルウォーズ〜」(9月22日、東京・後楽園ホール、日刊スポーツ新聞社後援)の65キロスーパーファイトで、木村”フィリップ”ミノルと対戦することが決まったK-1甲子園2014王者・平本蓮が、インタビューに応じた。

 -対戦相手が木村選手に代わるという連絡を受けた時、率直にどんな心境でしたか?

 平本 最初に(梶原)龍児さんから連絡があった時はしびれるような感覚になって、「えっ、うそ」と思いました。それで「少しだけ考えさせてください」と返事をして、龍児さんからは「5分後にもう一度連絡してくれ」と言われたんです。そこでよく考えてみたら、僕にとってはプラスのことしかないし、木村選手は今1番輝いている選手だから、やるなら今やっても損はないと思うし、断る理由がないので勝負を引き受けました。

 -ほぼ即決に近い状況だったのですか?

 平本 ちょっとだけ「どうしよう?」と考えました。でも木村選手と戦うことについては、いつかはやるだろうと思っていたし、それが早まったという感覚ではないですけど、65キロの選手のことはみんないつかやるだろうと思って試合を見ています。だからある程度は自分だったらこう戦おうというのは考えていたし、木村選手は龍児さんと一度戦っているので、龍児さんと対策を練っていきたいと思います。

 -木村選手と試合することも少なからずイメージしていたのですか?

 平本 はい。たまに木村選手とやったらこうなるんだろうなって想像していました。試合でこうなって、これをやって、試合後にこんなことを言うって。みんな僕が勝てないと思うのが普通だと思うんですけど、僕は奇跡を起こせると思うので、頑張りたいと思います。

 -では、65キロのトップ選手と戦うことはそこまで現実味がないことではなかった?

 平本 雲の存在とまでは言わないですけど、少し遠い目で関心しながら見ていた部分はあります。でも65キロ王者のゲーオ・フェアテックス選手はずっと憧れていて、僕もゲーオと同じ場所の同じ階級でやっているんだという実感をしみじみと感じています。もし僕が木村選手を倒せば、僕がゲーオと戦う可能性だってあると思うし、そこまで考えていれば木村選手にも勝てると思うので、しっかりゲーオと戦うことまで考えたいと思います。

 -平本選手と木村選手ではキャリアや実績に大きな差があります。その中で自分のここは木村選手に負けていないというものは何ですか?

 平本 昔からのボクシングテクニックもそうですけど、圧倒的に楽なのは気持ちの部分だと思います。僕はもう当たっていくだけなので。体格差もあると思いますが、そこはテクニックで補って、しっかり最高の試合をします。

 -対戦相手として木村選手にはどんな印象を持っていますか?

 平本 実は木村選手の毒舌とか会見とか結構好きなんですよ。K-1甲子園に出る前から。だから尊敬のまなざしもありますけど、試合が決まった以上、そこは完全に切り替えて、僕の存在感を見せます。

 -ずばり下馬評では木村選手有利の1戦で、一方で平本選手が波乱を起こせるかどうかの試合でもあると思います。そういった周りの評価や見方は気になりますか?

 平本 みんな僕が負けることを想像していると思いますが、僕には当たって砕けろという気持ちはありません。そうじゃなくてサバイバルをかけた1戦だと思っています。しっかりここを勝ってゲーオにつなげて、そのままゲーオに勝てばK-1戦績5戦5勝でK-1チャンピオンじゃないですか。そうやってプラス思考で考えています。

 -例えばスターになる選手や一流選手はこういう試合でこそ勝つものだと思いますか?

 平本 はい。これをモノに出来れば成長できると思うし、ステップアップどころかものすごく進化できると思うんですね。会見で魔裟斗さんに「出世試合になるかもしれない」と言ってもらえましたが、K-1には“絶対”という試合がないと思うので、それを見て欲しいですね。僕がこれだけ強いんだぞってところを見せつけたいです。

 -誰も予想しないカードが組まれて、誰も予想しない結果が出る舞台がK-1です。平本選手もそれは感じますか?

 平本 そうですね。でもだからこそ結果を残さないといけないと思います。木村選手もゲーオからダウンを奪って勝って、卜部弘嵩選手も残り時間数秒でダウンを取ってハビエル・エルナンデスに逆転勝ちしたじゃないですか。そういう驚く試合が多いのがK-1だと思うので、ここはしっかりものにしたいと思います。

 -後楽園に集まったファンの人たちを総立ちにさせたいですか?

 平本 僕の応援団も、木村選手の応援団も、ノーサイドのお客さんも、みんなが総立ちになるような試合をして、最後に笑ってリングでマイクを握っているのは僕だというイメージは出来ています。

 -1年前は自分がこうなっているとは想像していませんでしたよね?

 平本 はい。1年前はK-1甲子園の決勝に向けて練習していたし、K-1でデビューすることすら想像していませんでした。そういう部分では周りにも感謝しています。

 -この試合に勝ったら人生が変わると思いますか?

 平本 今、最もモチベーションが高くなる理由として、ファイトマネーでスポーツカーを買うという夢があります。僕が木村選手に勝って、K-1の地上波を復活させて、若いうちからK-1の中心選手になって、スターになりたいと思います。

 ◆平本蓮(ひらもと・れん) 1998年6月27日、東京都足立区生まれ。3戦3勝(2KO)。173センチ。チームペガサス所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。