WBA世界スーパーフェザー級暫定王者のジェスレル・コラレス(24=パナマ)は、同級スーパー王者の内山高志を撃破して興奮を隠しきれなかった。2回に3度のダウンを奪う圧巻のKO勝ち。「とてもいい気持ち。うれしいし、幸せを感じている。タフな試合になると覚悟していた。KOは自然に出るもので狙っていないが、そのチャンスに恵まれた」と喜びに浸った。

 1回途中から攻めに転じて、強引なまでに左を振り回した。「内山はハードパンチャー。右のパンチを一番、気をつけた。自分もパワフルさを身につけて、パンチをもらわずに打つ練習をしてきた」。

 連続してダウンを奪うと一瞬、気持ちがはやったが「コーナーから『落ち着け!』と声がかかった。それが良かった」。再び強烈な左を振り回し、残り1秒で内山から3度目のダウンを奪って試合を決めた。

 前日の計量では400グラムオーバーなど、ドタバタ劇を演じた。だが「まったく影響はなかったよ」と涼しい顔。加えて「パナマでは計量は夕方4時から。日本は調印式と一緒にやる。何でも早く、早くやりたがる。400グラムのオーバーも20分の縄跳びで落とせたんだから、まったく問題なく回復した」とチクリとやる場面もあった。

 試合後は内山の控室を訪れて、感謝の意を伝えた。「内山は敵ではなくて、同じ職業の仲間だと思っている。たとえ自分が負けても、同じことをしていたよ」。今後に向けては「早くパナマに帰って、ビールを1杯。そして、練習に行きたいね」と笑った。