ボクシングの16日のダブル世界戦(エディオンアリーナ大阪)の予備検診が13日、東京都内などで行われた。神戸市内で受診した長谷川穂積(35=真正)は順調な調整ぶりを強調した。

 元2階級王者の長谷川が「進化ボディー」で奇跡の復活劇を見せる。予備検診では14年4月の前回世界戦から胸囲が2・8センチアップして88センチを記録。その上半身以上に自信を持つのが足腰だ。「下半身と体幹は(トレーニングを)たくさんやったので、効果はあると思う」と胸を張った。

 プロゴルファーの松山英樹らも指導してきた早川怜トレーナー(35)に昨年から師事し、肉体改造を開始。世界戦を見据えた今年は「重心を落とした姿勢を長時間維持できる体」をテーマに、股関節の柔軟性と尻の筋力向上に着手した。「重心が低いと上下にパンチを打ち分けられる。お尻に力がつけばパンチ力もつく。低い姿勢から押す力は、30%アップしました」と、早川トレーナーも35歳での進化に太鼓判を押す。

 相手のルイスには身長とリーチで7・5センチ劣るが「懐に入りやすい」と不安はない。練習を打ち上げたこの日は、左手親指の突き指予防に入念にバンデージを巻くなど、調整もぬかりなし。終了後には体重もリミットの55・3キロに到達した。「ラストチャレンジ」と公言する大一番へ「きれいな顔で終わりたい」。長谷川の頭には、勝つイメージしかない。【木村有三】