総合格闘技のRIZINは28日、都内で会見を開き、12月31日の無差別級トーナメント大会で、坂田亘(43)と桜井“マッハ”速人(41)が対戦すると発表した。坂田は、妻でタレントの小池栄子の助力によってRIZINでの「引退試合」が実現。同席した小池に、桜井が厳しい言葉を投げつけ、会場は険悪なムードに包まれた。

 坂田のRIZIN出場は、妻として、一格闘技ファンとしての小池の思いから生まれた。小池が夫の出場を高田延彦統括本部長に直訴したのは、1月のこと。その熱意に打たれた同本部長が榊原信行実行委員長に報告。その後は、小池、坂田、榊原委員長で協議を続け、実現にこぎ着けた。

 経緯説明のため会見に出席した小池は「最近夫の試合を見たのは(5年前の)ハッスルぐらい。妻でもありますが、一格闘技ファンとして最後の試合を最高の舞台で思い切り戦ってほしいという思いでお願いした」と語った。リングに上がらず、目標を見失ったように見える夫に心を痛めていた。テレビでRIZINの解説も務めるだけに、批判覚悟の上で願い出た。

 坂田の総合格闘技の試合は03年12月31日のダニエル・グレイシー戦以来。相手は、この世界のレジェンドといわれる桜井だ。「けじめのリングで命の限り懸命に挑みたいと思います」と、坂田が決意を語れば、小池も夫を激励した。「当日は解説席にいますので夫婦としての勝負です。出るからには、死を覚悟して思い切りな姿を見せてほしい」。

 一方、挑戦を受ける形の桜井は、会見で不機嫌モードいっぱい。「話聞いていたらプロレスじゃないですか。やることはガチンコ。タレントプロレスじゃない。小池さんは関係ない人。解説席にいればいいんだけど、何でここにいるんですか?」。プロレスラーでもある坂田に当てつけるように怒りをあらわにした。高田本部長や榊原委員長が補足説明し、その場を収めたが、当事者たちの顔はこわばったまま。出場までの経緯を含め、批判を吹き飛ばすためには、大みそかに坂田が最高の戦いを見せるしかない。【桝田朗】