ボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介(34=帝拳)が23日、同級6位カルロス・カールソン(メキシコ)を迎える12度目の防衛戦(3月2日、両国国技館)へ、都内のジムで練習を公開した。

 昨年9月以来となる試合への調整を問われると、「最高の状態に仕上がってきた。力んで動きすぎないか心配なくらい」と即答。減量期も終盤に入っていながら、この日の2回のスパーリングでも軽快な動きで、「神の左」と称される左拳を上下に打ち込んでみせた。

 22日にはカールソンが来日したが、「調子よく来日してくれてありがたい」と感謝の意を表した。「一番良い状態で戦って、良い試合をしたい」と貫禄漂うプロフェッショナルな発言は、世界戦防衛回数日本記録の「13」にあと2つと迫る王者ならではだった。

 試合展開については、「右をもらわないこと」をテーマに掲げる。前回、前々回の試合と左ストレートにつなげて右の返しのパンチを狙ったタイミングで、相手に右のパンチを合わされてダウンを喫している。「警戒したい。そういう練習もしてきた。自信はある」とよどみない口調。デビュー戦黒星後は22連勝中の挑戦者の勢いを鑑みて、「特に序盤に注意したい。いいパンチをふってくるので」と展開を読んだ。