無名の男が中国のスター選手を敵地で撃破し、世界を射止めた。WBO世界フライ級6位木村翔(28=青木)が、初防衛戦に臨んだ同級王者鄒市明(ゾウ・シミン、36)に挑戦。五輪2大会連続金メダルの強敵に加え完全アウェーながら、前半はボディー攻撃で足を止める。11回にダウンを奪うとさらに連打で仕留めた。日本人として9人目で延べ10回目となる海外奪取で、創設73年目の名門ジムに男子初のベルトをもたらす金星となった。

 ▼日本人の海外奪取 木村が通算9人目でのべ10回目となるが、日本ボクシングコミッション(JBC)公認に限る王者の敵地で奪取となると、西城、柴田、大熊、三原以来36年ぶり5人目となる。柴田の2度目、上原、平仲、亀田は王者の母国ではない中立地開催。高山はIBFが未公認時代の奪取だった。