WBA世界ミドル級戦を生中継したフジテレビが、1位で挑戦者のロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が、同級世界王者のアッサン・エンダム(33=フランス)に7回終了TKO勝ちする直前にCMを挟んだため、勝利の瞬間がよく分からなかったとインターネット上で不満の声が上がった。

 フジテレビは7回終了後にCMを1本流した。CM明けに、画面の左半分にエンダム、右半分に村田が映っていたが突然、画面の左半分に頭上で両手を振る主審の姿と、右半分に涙を流す村田の姿が映った。実況では村田の勝利を伝えていたが、一見、画面を見た限りでは村田が勝ったがどうかは分かりにくかった。

 ツイッターでは「CM明けに、いきなり決着なんて最悪」、「判定の決定的な瞬間が映っていない」、「TKOの瞬間を、きちんと放送できていない」、「よそ見をしていたら村田が勝っていた」、「勝利の瞬間が流れていない。やってしまった」などと批判が相次いだ。

 フジテレビは、松山英樹が8月に出場した全米プロゴルフ選手権の第3日を生中継した際も、松山のラウンド途中に放送を終了したこと、また村田も出場した12年ロンドン五輪の女子マラソンの中継でも、CMが多すぎると批判が殺到した過去があり、今回の批判につながったようだ。

 また、この日は衆院選の投開票日と重なり、午後8時から8分間、選挙速報が流れた上、画面の下に開票速報を伝える帯が出続けたことにも「見づらい」、「邪魔だ」などと批判が多数あった。

 日本列島に接近している台風21号の情報も流れ「画面が見づらい」という声もあったが、一部で、ボクシング、衆院選、台風情報を一目で見られたことを「お得」という声もあった。