ボクシングのIBF世界スーパーフェザー級新王者尾川堅一(29=帝拳)が12日、凱旋(がいせん)帰国した。9日に敵地の米ラスベガスでの王座決定戦で、同級5位テビン・ファーマー(米国)を2-1の判定で撃破してきた。到着口に姿を現すと、その腰には赤いベルトが。「期待されているかなと」と、のけぞるくらい胸を張っておどけた。

 米国での日本人の王座奪取は81年の三原正以来36年ぶりだが「次もラスベガスでやりたい」と陣営に伝えたという。WBC王者ベルチェルトらの名前を挙げ、「ベルトを持ってスタートに立てた」と息巻いた。

 くしくも帰国便は大リーグのエンゼルスの入団会見を終えた大谷翔平と一緒だった。同じような全米注目の選手への意欲を聞かれると、「もうされてますよ」と冗談ぽくニヤリ。1勝ではその域に達していないのは当人が分かっている。「来年は全勝全KO」。その通りなら、大谷級に近づく。