ボクシングのダブル世界戦の前日計量が28日に都内であり、IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチは両者ともに一発でクリアした。3月1日に両国国技館で初防衛戦となる同級王者岩佐亮佑(28=セレス)は55・2キロ、世界初挑戦となる同級13位エルネスト・サウロン(28=フィリピン)は55・0キロと、ともにリミットの55・3キロを下回ってパスした。

 岩佐はネックレスをつけたままで計量台に乗った。「昨日の夕方でリミットだった。あとは代謝と水分を補給しての繰り返しで」と余裕だった。「コンディションは最高。いい仕上がり」と自信満々。計量後はうなぎ屋に向かい、夜は馬肉を食べるという。ジムの先輩の店でしゃぶしゃぶ、さしみ、焼き肉に「メチャクチャうまい」というしゃぶしゃぶで、まさに馬力をつける。

 WBC世界バンタム級タイトルマッチの計量も見守ったが、王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)がまさかの2・3キロオーバーに岩佐も動揺を隠せなかった。挑戦者の前王者山中慎介(35=帝拳)は55・2キロと100グラムアンダーでクリアも涙を流す姿を目にした。岩佐も米国での挑戦者決定戦で対戦相手が計量失格し、試合中止になった経験がある。

 「まさかと現実味がなく変な感じだった。スポーツがビジネスになって、目立てばいいような面もある。真面目にやってるこっちがバカみたい。最近は多いし、契約やルールを考えた方がいい。1年ぐらいの出場停止では、1年休む王者もいるし」と憤った。

 さらに今回は山中と日本バンタム級王座を争って負けてから7年後の世界戦共演だった。「一緒のリングでやりたいとここまできたのに。ここから気持ちを作るのは大変。オレもショックで乱された」と山中を気遣いつつ「ボクはいつも通りに打たせずに勝ちます」と気持ちを切り替えようとしていた。