ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級2位亀田和毅(27=協栄)が久々の亀田流メンチ切りで3兄弟2階級制覇に向けて気持ちを高揚させた。今日12日に東京・後楽園ホールで開催される同級暫定王座決定戦に備え、11日には拳を交える同級1位アビゲイル・メディナ(30=スペイン)とともに都内で開かれた前日計量に臨んだ。

55・2キロでパスした和毅は、55・1キロでクリアしたメディナと対峙(たいじ)し、長いにらみ合いを展開。長兄興毅氏ら関係者の制止が入るまで約40秒間、目をそらさなかった。亀田家最後のとりでとしての意識は十分で「明日、アイツを倒したら世界王者になりますからね。気合は入ります」とボルテージを上げた。

WBO世界バンタム級王者時代、約10キロの減量に苦しんだ。「今は経験を積んでいる」と日常から筋肉量を増やしながら61キロを保ち、愛妻のシルセ夫人とも話し合って6キロ近くの減量を成功させた。「過去最高に仕上がった。言い訳するところはないです」と胸を張った。13年12月以来、約5年ぶりの国内世界戦となる。「ホームは応援もあるし力になります。あと1日で世界王者」と、初の3兄弟2階級制覇を達成する自信を示した。【藤中栄二】