<ノア:ザ・ファースト・ナビグ>◇17日◇ラゾーナ川崎プラザソル◇7試合

 今年、専属からフリー契約となった井上雅央(41)が出場した。15日の開幕戦は出番がなく、この日が今年初。年間の出場とギャラが保証されていた昨年までとは違い、シリーズごとにオファーを待つ。試合数も少なくなる。「ショックでした。不安です。生活をどうしようかと。でも、冷静に考えれば(フリー契約も)妥当なのかな、と」と話した。

 18歳で高校を卒業して20歳で全日本入りし、12年前ノアの旗揚げに参加。昨年20周年を迎えた。「サラリーマンだったのは20年も昔。プロレスしかできない。他団体出場の話があればありがたいが、この業界自体が難しいときだから厳しい。オファー、大々的に募集中です」。家には妻と小学4年の娘が待つ。「女房もショックを受けていた。でも、娘には言えません。できるだけ、今までと変わりなくしてやろうと思っています」と父親の顔を見せた。

 この日は、鈴木鼓太郎と対戦。11分39秒に横入り式回転エビ固めに敗れたが「雅央、頑張れ!」とファンから熱い声援を受けた。「やっぱり、力になりますね。今の時代、自分だけが不幸じゃない。そういう人たちに勇気を与えられるよう頑張ります。中年の星を目指します」と奮起を誓った。