<プロボクシング:WBC世界フライ級王座統一戦12回戦>◇27日◇東京・有明コロシアム×王者亀田興毅(23=亀田)判定0-2○同級暫定王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(32=タイ)<1回>興毅がポンサクレックの周りを回るような動き。お互いに様子を見ているか、積極的に前には出てこない。それでも1分過ぎから右のジャブから左のストレートを打ちこんで前に出てくるポンサクレックに興毅は左のフック、ボディでけん制する。結局、お互い距離を詰め合うことはないままゴングが鳴った。<2回>興毅は距離を縮めさせないよう、ポンサクレックの右ジャブ→左ストレートをクリンチで逃れるが、30秒過ぎに一瞬距離が縮まったところを右フックをもらってしまう。前に出てくるポンサクレックにカウンター狙いの興毅。ラスト30秒は、互いに手が出ずこう着状態のまま終わってしまった。<3回>じわじわ距離を詰めてくるポンサクレックに、興毅はその外側を円を描くような動きで、距離を縮めさせない。ポンサクレックの右アッパーはしっかりガードを固めて防いだ。徹底したカウンター狙いで左フックを当てていくが、2分過ぎに逆に右のカウンターをもらってしまった。<4回>興毅はジャブを出しながら後ろに下がる動き、ポンサクもじわじわと距離を詰めながら左ボディーを繰り出してくる。何とか自分のリズムにしたい興毅だが、ポンサクレックの左ボディー、ワンツーがテンポ良く出てきてなかなか攻勢に立てない。終了間際にも右アッパーをもらってしまった。4回終わって38-38、37-39、36-40の0-2。<5回>30秒手前で、偶然のバッティング。興毅の右目からは出血、ほおをつたっている。ポンサクレックは1点減点。1分半ではかなりの出血になりリングドクターが確認するが試合は続行。興毅はポンサクの懐に入って、右ボディー→右アッパーを繰り出す。このラウンドに入って、自ら距離を詰めていくようになった。<6回>興毅の出血はあまり気にならない。ポンサクはこの回も右ジャブ→左ストレートから攻撃を組み立ててくる。興毅は変わらず呼び込む動きだが、1分過ぎ、ワンツーをもらってしまう。2分過ぎから積極的に内に出た興毅に対しポンサクレックは冷静。パンチの出し際を狙って右を当てていった。<7回>興毅は右を出して前に出ていくが、距離を詰めたところでポンサクレックのパンチをもらってしまう。それでも、右のストレート、アッパーを出して徐々に打ち合いになっていく。ラスト15秒、興毅が右、左とポンサクレックの顔面を当てると、そこから連打に持ち込んだがそこでゴングが鳴った。さぁ、興毅がようやく流れに乗れるか。<8回>興毅はガードを固めるが40秒、ポンサクレックのかいくぐるような右ストレートを顔面にもらってしまう。興毅はやはり相手を呼び込むが、ポンサクレックは積極的に距離を詰めてこない。興毅の手が止まると、ポンサクレックが攻め、ポンサクレックが止まると、興毅が攻めるという状況、まだお互いが足を止めて打ち合う場面は見られない。8回終わって76-75、75-77、74-77の1-2。<9回>興毅不利の採点発表を聞いて、前に出てきたのはポンサクレック。距離をつめて右アッパーを見せる。それに呼応するように興毅も前に出て左右をフックを繰り出すが、パンチの出し終わりを狙う相手に、逆にパンチをもらってしまう場面が目立つ。2分半、ポンサクレックの強烈な左カウンター。最後は、興毅の攻撃の手が止まってしまった。<10回>興毅は右ジャブを繰り出す。序盤に比べ距離を詰めて打ち合っている印象。しかし、距離が開くとすぐにポンサクレックが右ストレートを出してくるため、興毅は防戦になってしまう。依然、ポンサクレックから攻撃を仕掛ける場面が多く、興毅は守りを固める時間が長くなってしまっている。両者、有効打は出てていないが、手数ではポンサクが上回っている。<11回>このラウンドも興毅は距離を詰めて、右ジャブを出すが、30秒手前ポンサクの右フックをもらってしまう。さらに1分過ぎには右アッパー、興毅はグローブを顔の前に立てガードを固める。終盤になっても、なかなか両者が相手を見るような動き。リードされている興毅は前に出て、状況を打開したいが…。ポンサクレックはあくまで冷静に動きを見ている。<12回>後がない興毅だが、がむしゃらに前に出る様子はない。それでも距離を詰めて右アッパーを繰り出すが、これはポンサクレックがクリンチ。1分を過ぎるとリング中央で距離を詰めての打ち合いに。ただ、興毅の攻撃は単発で終わってしまい、連打できない。残り30秒でようやく連打が当たったが、最後まで有効打はなく試合終了のゴングを聞いた。判定は114-114、116-112、115-112の2-0でポンサクレックの勝利。興毅は最後まで前に出て試合をすることができず。ポンサクレックの巧さの前に屈し、プロ初黒星を喫した。