戦う電通マン、ついにK-1デビュー!

 広告会社最大手の電通に勤務するかたわら「K-1トライアウト」に合格していた大渡博之(31)が、来月7日の「K-1

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 2008」(日本武道館)に出場することになった。オープニングファイトの予定で、対戦相手は近日中にも発表される。試合当日は月曜日のため、有給休暇を取っての参戦。異色のサラリーマンファイターが、格闘技界に新風を巻き起こす。

 異色のファイター大渡が大きな夢をつかんだ。K-1を主催するFEGから出場の打診を受けたのが先月末。「急な話だったので戸惑いました」という。それでも「年齢的にも最初で最後のチャンスだと…。死にはしないだろうし、やらずに後悔するよりいいと思って」と参戦を決意した。

 実力はお墨付きだ。空手の正道会館では、軽量級日本王者に4度輝いた実績を持つ。「1度は挑戦してみたかった」という今年3月のトライアウトでも、スパーリングでスピードあふれるキックやパンチを披露。監督を務めたフランシスコ・フィリオからも「即戦力として戦える」と高く評価されての合格となった。

 電通では営業局に籍を置き、北京五輪公式スポンサーを務める大手飲料メーカーを担当。それだけに五輪開幕を目前にした現在では「イベントや打ち合わせで徹夜することもあります」と苦笑いする。思うようには練習できないが「仕事の合間を見つけてミット打ちで汗を流したり、道場(正道会館)のカギを持っているので真夜中に1人でサンドバッグを蹴ったり…」。まさに目が回るほどの毎日だが「仕事は体を酷使しないし、格闘技は頭を休められるので問題ないです」とあくまでポジティブだ。

 サラリーマンが社外活動を行う場合、会社への申請が必要なケースが大半だが「親しい上司や仲間の力を借りて会社を説得しました」と仕事で身に着けた交渉術も生きた様子。さらに試合当日の7日は月曜日だが「会社にお願いして休みをもらうか、午後半休にしてもらおうかな」と屈託なく笑う。「サラリーマンの僕でも、やればできるところを少しでも見てもらえればうれしいですね」。あこがれのリングでの活躍を誓った。【山田大介】