コマ劇場でプロレス-。今年で閉館が決まった東京・歌舞伎町の新宿コマ劇場で、最初で最後のプロレス興行が行われることが26日までに分かった。8月に旗揚げするXWFが10月7日に主催。5度目の現役復帰を果たした前参院議員・大仁田厚(50)リキプロの長州力(56)ら約30人が参戦。試合中にリングが回転、全方向から観戦可能という斬新な演出がとられる。

 美空ひばりさんも、北島三郎もびっくりだ。築52年の「演劇と演歌の殿堂」で、荒くれ者たちが暴れまくる―。そんな異様な光景が繰り広げられる。XWFをプロデュースするイベント会社キャッシュボックスの笹原雄一代表は「もともと私は演劇を手掛けていて、コマ劇場で興行をやりたかった。どうせやるならプロレスの方がインパクトがある。演劇に共通する部分もあるので」と開催理由を説明した。

 興行はコマ劇場の特徴をフルに使った演出を考えている。6メートル四方のリングは円形舞台の直径8・8メートルの中盆に設置。試合中に中盆がコマのように回りながら上方にせり上がる仕組みとなる。これにより観客は全方位から観戦できる。笹原代表は「そこからレスラーが落下しても大丈夫」という。コマ劇場の梅田秀実支配人も「通常は会場の中央にリングがあるプロレスは、前方に舞台があるここでは無理だと思った。でも回転させれば結構面白いかも」と前向きだ。

 さらに電流爆破デスマッチまでも行われる可能性がある。笹原代表は「消防署と打ち合わせて可能な限りの火は扱います。大仁田さんが出ますから」という。試合は7~8試合を予定。XWFの金村キンタロー(37)は「大仁田、長州、昭和のプロレスラーを昭和の演劇の殿堂とともに吹っ飛ばす」と鼻息は荒い。