1年間のライセンス停止中の亀田大毅(19=亀田)が「普通のボクサー」として出直す。再起戦(11月6日、東京・後楽園ホール)でアンヘル・レサゴ(23=メキシコ)と対戦することが27日、発表された。急ぎすぎた初の世界戦での反則騒動を反省し、今後は日本、東洋太平洋王座とステップを踏んだ上で世界再挑戦を目指す。この日の会見ではパフォーマンスを封印し、終始敬語を使うなど「暴れん坊」からのイメージチェンジを図った。

 パフォーマンスも暴言もない。世間を揺るがした反則騒動から1年。大毅は東京・葛飾の柴又帝釈天で、11月の再起戦の必勝祈願をした。その後の会見では「この1年間で成長した姿を見てもらいたいです」と殊勝な態度を見せた。自由気ままだった、かつての姿から180度変化していた。

 会見では最後まで標準語の敬語を使った。昨年までは一切口にすることはなかったが、北京五輪に出場した日本代表選手の取材対応などを見て学んだ。父史郎氏からも「(来年1月で)20歳になるし、言葉を慎んで、大人になれ。口はいらんから(試合で)手を出せ」とアドバイスされた。反則騒動の反省の姿勢を示すため、普段の態度から改めた。

 再起戦の相手としては、日本人も候補に挙がったが、交渉がまとまらずメキシコ人のレサゴに決まった。もっとも、今後は世界再挑戦を焦らず、堅実路線を歩む。一気に世界へ突っ走った結果、反則騒動を起こしたことを反省。来年はまず日本、東洋太平洋王座を狙う。普通のボクサーのように、きちんと段階を経て、再び世界を目指す。

 「あまり大きいことを言いたくないのですが、ゼロからのスタートだったので、数え切れないくらいのことを学びました」。亀田ジム設立後は、積極的に出げいこし、いろいろなタイプの選手とスパーを続ける。従来のガードを固めて突進するスタイルだけでなく、足を使うボクシングなども習得中だ。反省会をもじった「拳省会」とタイトルのついた再起戦。謙虚な大毅がリング上でも、生まれ変わった姿を披露する。【田口潤】