<新日本:東京大会>◇15日◇東京・両国国技館◇9300人

 IWGPヘビー級選手権試合は王者棚橋弘至(32)が挑戦者中邑真輔(28)を24分26秒、ハイフライフローからの片エビ固めで撃破し、初防衛に成功した。試合後は元TNA世界ヘビー級王者カート・アングルがリング上で挑戦を表明し、棚橋も受諾。肉体美とルックスで、キャラクターデザインやファッション業界からも注目を集める棚橋が、今年の日本プロレス界をけん引する勢いだ。

 目まぐるしい攻防の末、持てる力をすべて発揮した棚橋が、過去2勝1分け4敗と負け越していた宿敵・中邑を撃破した。「これからは思う存分、棚橋をエースだと言ってくれ」と団体の真のエースを宣言した。

 棚橋の「みせる」プロレスに、他業界も熱視線を注ぐ。昨年10月、デザイナーユニット「MAD

 BARBARIANS」が棚橋の魅力に着目。デザイナーのイトウマスミさんは「強くて、キュートで、おバカな感じがうちのコンセプトにぴったり」と棚橋をデザインしたコラボTシャツを作製。20日から東京・丸井新宿店で先行発売される。

 また、昨年10月にパリコレデビューした世界的デザイナー岩谷俊和氏の新ブランド「IWAYA

 FOR

 DRESS33」も棚橋Tシャツ、パーカーなどを作製予定。棚橋は「プロレスのためなら何でもする。プロレスを世間に届けたい」と、自らを業界の広告塔としてプロレス復興に意欲を見せる。

 この日の防衛後には、アングルからも「お前は偉大な王者だ」と挑戦状をたたきつけられた。異業種からも、世界のトップレスラーからも認められた棚橋が、今年のプロレス界をけん引していく。【塩谷正人】