東京都内のJR常磐線車内で男性会社員(36)にマスク姿を無断撮影されたことに立腹し、蹴るなどしたとして暴行容疑で逮捕された覆面レスラーのザ・グレート・サスケ(本名・村川政徳)元岩手県議(39)が21日、処分保留のまま釈放された。素顔のまま東京地検に送検され、警視庁南千住署での釈放後にようやく覆面姿に戻ったサスケは、さすがに反省。被害者に謝罪し、受け入れられれば2ショット写真を撮りたいとの考えを示した。

 19日深夜の逮捕から約39時間ぶりに釈放されたサスケ元県議は「格闘家として、私自身が未熟でした」と自らの非を認めた。覆面に黒いジャンパー姿で南千住署前に現れ、報道陣に「被害者の方にまず謝罪し、改めて一緒にカメラの中に入って記念撮影をしてあげたいです」と話した。謝罪は「これが私の顔ですから」との理由から、マスク姿で行う方針だという。

 逮捕容疑は、北千住駅から南千住駅間のJR常磐線上り列車内で、携帯電話のカメラでマスク姿を撮影した男性に激高し、胸ぐらをつかんだり、蹴るなど暴行した疑い。サスケは容疑について「蹴ってはいない」としながら、大筋について「認めます」と説明。複数の近隣住民らが携帯電話のカメラのシャッター音を次々に響かせる中、「撮られても構いませんという考えに私が変わればいい。どんどん撮ってください、という考えに変わりました。はい」と、自分に言い聞かせるように話した。

 サスケ元県議はこの日午前8時15分ごろ、南千住署から東京地検に送検された。マスクは所持品として署に保管されているため、素顔だったが「顔は絶対見られたくない」との要望を受けた同署が、警察官の紺色のジャンパーをかぶらせ、窓が黒い警察車両に乗せた。帰りの車はカーテン付きで、素顔を隠した。

 サスケ元県議の周辺では、次期衆院選出馬の計画も検討されていたもようだが、サスケは「07年の知事選で大敗し、政治というものはまったく考えてません。むしろ政治を志す方の応援をしたい」と否定した。今後のプロレス活動については「許されるなら、全力ファイトで、私がプロレス活動をすることがなによりの宿題。あとは私の行動を見てください」と話した。