新型インフルエンザ騒動に巻き込まれ、帰国延期を勧告されたフィリピンのボクサー、マニー・パッキャオ(30)が8日午前、母国のマニラ国際空港に堂々と降り立った。妻ジンキーさん、3人の子供に囲まれたパッキャオは大きく左手を掲げ「フィリピン人であることを誇りに思う」と出迎えたファンやマスコミに語りかけた。

 パッキャオは2日、米ラスベガスでIBO世界スーパーライト級タイトルマッチに勝ち、5階級制覇を達成。だが6日、ロスから帰国便に乗ろうとした直前、フィリピン保健省から「新型インフルエンザ感染の疑いがある」として帰国延期を求められた。パッキャオは「健康なのになぜだ」「予定通り帰国する」などと宣言していた。

 この日予定されていた凱旋(がいせん)パレード、アロヨ大統領との面会は、新型インフルエンザ感染予防のため11日に延期されることが決まっていた。だが延期理由はこの日になって「台風のため」と改められた。感染を疑われる扱いを嫌った英雄に、当局が配慮したものとみられる。