ノアは全日本を退団した三沢さんに追従する形で、同団体を退団した小橋、田上、秋山ら選手、スタッフ、レフェリーらで旗揚げされた。ただ、個性の強いプロレスラーの集団ゆえに、ほかの団体同様に派閥の存在は否めない。そこを三沢さんのリーダーシップで、まとまってきた。

 しかし、そのカリスマが急逝した。今までまとまってきた個性のぶつかり合いが容易に想像される。三沢夫人の真由美さんが、新社長の田上に「選手がバラバラにならないように」と懇願したのも、三沢さんのつくったノアが分裂するのだけは避けたいとの思いからだ。

 副社長に抜てきされた丸藤は「人間関係を修復することで、ノアをいい方向に持っていきたい」と会見で話した。実績はベテラン選手にもひけを取らず、若い選手とのパイプ役にもなる丸藤が、新体制の大きな柱として機能するかどうか。キーパーソンであることは間違いない。