50~70年代に日米マット界で活躍した名レスラーで、故ジャイアント馬場さんの好敵手でもあったジン・キニスキーさん(カナダ)が、がんのため米ワシントン州ブレインの自宅で死去したことが14日(日本時間15日)、分かった。81歳だった。ここ数年は闘病生活を送っていたが、がんが脳に転移するなど病状は悪化。09年冬から入退院を繰り返していた。

 ファンク兄弟の父ドリー・シニアから手ほどきを受け、52年にデビュー。当たりの強さと粘り強いファイトスタイルで頭角を現した。66年には、無敵を誇った鉄人ルー・テーズから最高峰のNWA王座を奪い、3年以上も保持した。67年8月には、馬場さんと炎天下の大阪球場で戦い、65分にわたる激闘の末に引き分けた。お互いが「レスラー人生最高の戦い」と口をそろえる熱戦で、日本プロレス界に歴史を刻んだ。アントニオ猪木、坂口征二らとも戦い、92年に引退。その後も馬場さんの追悼興行などで来日していた。

 引退後はプロモーターとして活躍し、2人の息子もリングに上がるレスラー一家を築いた。同門だったドリー・ジュニアは「父の指導で大成し、わが家にとっても大事な存在だった。何しろタフで、いくら戦ってもケロッとしていたのに…」と絶句していた。(デーブ・レイブル通信員)