<ノア:創立10周年記念興行>◇22日◇東京・有明コロシアム◇5500人

 GHCヘビー級王者の杉浦貴(40)が、挑戦者の秋山準(40)を破り、4度目の防衛に成功した。序盤に後頭部を強打して動きが鈍る秋山に、容赦なく打撃、投げ技を繰り出し、最後は25分25秒、雪崩式五輪予選スラムからの片エビ固めで破った。団体が旗揚げされた10年前は練習生だった男が、当時からの看板レスラーに完勝。創設10周年記念と銘打たれた3興行のメーンを全勝した。

 杉浦は容赦ない攻撃で、新時代を印象づけた。必殺の五輪予選スラム2連発。立ち上がる秋山に、最後はコーナートップから雪崩式五輪予選スラムを畳みかけた。110キロの体をマットにたたき付けて仕留め、時間の逆流を阻止した。過去にシングルで4戦全敗だった秋山をついに破った。

 団体設立の00年はまだ練習生で、旗揚げ興行にも参加しなかった。一方の秋山は旗揚げ戦でメーンを張り、GHC王座を最多タイの3度獲得するなど、この10年間、団体の顔として君臨してきた。それだけに今回の勝利は防衛以上に価値があった。30歳でプロレス界入りし、昨年12月に初めて王者になった遅咲きの男は、「1回勝っただけで、自分の時代が来たとは思わない。これの積み重ねです」。これからじっくり自分の時代を踏みしめていく。