在日韓国人のWBA世界スーパーバンタム級14位李冽理(28=横浜光)が、尊敬する先輩の意思を引き継ぐ。同級王者プーンサワット(29=タイ)との世界戦(2日、東京・後楽園ホール)を控えた9月30日、都内で予備検診を行った。李は試合に備えて日の丸と統一旗をリングシューズ、トランクス、ジャージーに入れたことを明かした。「世界の頂点に立って日本、朝鮮、韓国の懸け橋になれたら」との願いを込めた。

 あこがれは在日を公表し「朝鮮半島統一」を訴えて世界の頂点を極めた元WBC世界スーパーフライ級王者徳山昌守氏。「よく似た環境で、最後まで(意思を)貫き通して王者になった」と尊敬する。徳山氏は当日も観戦予定で「必ずベルトを取れ」と気合を注入され、気持ちはさらに高ぶっている。

 検診では身長で10・3センチ、リーチで8センチ上回った。李は「(王者は)思ったより小さい。(体格差を)生かした攻撃をしたい」。無敗の王者から王座を奪った徳山氏のように、2階級を制覇した約4年間負けなしの絶対王者から王座を奪いとる決意だ。【浜本卓也】