WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ(31日、東京・有明コロシアム)に臨む三浦隆司(26=横浜光)が「情報戦」で王者陣営に先制パンチを放った。27日、横浜市内の所属ジムで練習を公開。1発強打が持ち味ながら、王者内山(ワタナベ)対策として「ブロッキングやスエー」と守備力強化をポイントに挙げ、スパーリングでは左右の大振りなパンチを披露して、視察に訪れた内山陣営の渡辺会長を驚かせた。

 急病で辞退したホルヘ・ソリス(メキシコ)に代わり、急きょ巡ってきた世界戦初挑戦。三浦は「“持ってる”と思います。(攻略法は)当日のお楽しみです」と不敵に笑った。

 通常、上体を後方にそらしてパンチをかわすスエーは、体格差の上回る選手が使うテクニック。内山と身長が変わらない三浦にとって、被弾する危険を伴う。ヒット率が低いと、大振りのパンチも隙を生む。接近戦を予想していた渡辺会長は「試合で本当にやるとは思えないが…。何とも不気味だ」と首をかしげていた。

 三浦陣営はカットマン(止血担当)に米国人トレーナーのルディ・エルナンデス氏を招聘(しょうへい)するなど、万全のサポート態勢を整える。「ボクシング人生をかけて、絶対にKOで倒す」という三浦。人事を尽くして天命を待つ。【山下健二郎】