東北地方太平洋沖地震がプロレス界にも大きな影響を及ぼした。全日本は11日、宮城・石巻市の石巻市総合体育館で興行を行う予定だったが、発生から約1時間後の午後4時ごろに延期を発表した。全日本は「地震の大きさを考慮し、社長(武藤敬司)を含め会社としての判断」と説明した。選手、スタッフらは既に現地入りしていたが、けが人などはなかった。

 またゼロワンは、この日に東京・竹芝の道場で予定していた奉納プロレス(27日、東京・靖国神社)のカード発表会見を中止した。会見開始直前に地震が発生。道場は東京湾からほど近く、パトカーから大津波警報が出されると、選手たちは「道場の外に逃げたらいいのか、高いところにいたらいいのか分からない」とパニック状態に陥った。橋本大地(18)は揺れの大きさに、プロレス雑誌を手に、靴も履かずに道場を飛び出した。余震が収まりかけると自ら道に出て交通整理を買って出ていた。大谷晋二郎社長(38)は「震源地に近い仙台にも私たちのお客さんがいっぱいいる。被害が大きくならないようにお祈りしたい」と話した。

 ノアもこの日に都内事務所で予定していた会見を中止した。