WBC世界スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(26=帝拳)が鬼門の初防衛成功で「チーム帝拳」のバトンをつなぐ。8日に神戸ワールド記念ホールで、同級3位ウンベルト・グチェレス(22=メキシコ)とのV1戦に向け、都内の所属ジムで練習を公開。同じ時間帯にジムを訪れた同門のWBA世界スーパーバンタム級王者下田昭文(26)から「帝拳と日本ボクシングを引っ張っていこう。絶対に負けちゃいけない」と熱いエールを送られた。

 同年齢、プロデビューも近い2人は互いに切磋琢磨(せっさたくま)してきた良いライバル。今年1月、世界王座奪取に成功した下田に対して「うれしさと刺激があった」と粟生。自らのV1戦後にWBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃(34)のV6戦も控えており、「下田が口火を切ってくれた。ボクが受け継いで、西岡さんに良い形で渡したい」と責任感を示した。

 WBC世界フェザー級王者時代は初防衛に失敗した。約4カ月でベルトを失った悔しさは忘れられない。粟生は「腰を据え、意識して初防衛したい。今は負ける気がしないんです」と鬼門突破に自信をのぞかせていた。【藤中栄二】