自信喪失のため無期限休養中だった曙(41)が、参戦していた全日本での復帰を決意した。5日、都内の全日本事務所で会見し「震災があり、みんな一生懸命なのに、自分のことだけを考えて落ち込んでいる場合ではないと。元気よくプロレスをやって、力になりたい」と思いを語った。5月10~13日に青森、秋田で4試合開催する全日本の「東北地方太平洋沖地震復興チャリティー大会」での復帰を決めた。

 曙は防衛を続けていた世界タッグ王座に続き、3冠ヘビー級挑戦権をかけた2月のKENSO戦でも敗北。目標と自信を失い「自分は何をしているのか。もう1度、見つめ直したい」と全日本側に休養を申し入れ、3月6日開幕の新シリーズ参戦オファーも取りやめた。自宅に引きこもる時期が続いていたが、震災後に格闘技団体をはじめ、スポーツ界全体が復興支援へと動く中「自分は甘い。モタモタしていてはいけない」との思いを募らせていた。

 復帰の打診を受けた全日本の内田雅之取締役も「横綱の力が必要。被災地の方々にも喜んでいただけると思う」と快諾した。曙が、自身のレスラー人生をかけ、復興への闘いのリングに立つ。【山下健二郎】